はじめまして。
日本の皆様に、本物の中国紅茶をお届けする「正山堂」です。
今回、日本市場向けの特別なブランドサイト「正山堂日本」を立ち上げることになりました。
私たちのブランドや商品、そして中国紅茶の文化や歴史について、この場を使って発信していこうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
私たち「正山堂」は、正直、日本での知名度はそれほど高くないと思います。
そこで、最初の記事として、私たち正山堂について少しご紹介したいと思います。
正山堂が根ざす産地・武夷山
私たち正山堂の本社は、福建省武夷山市にあります。
武夷山は、1999年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)により、世界遺産に登録されています。
世界遺産には「文化遺産」と「自然遺産」の2種類がありますが、武夷山はその両方に登録されている「複合遺産」となっています。
多くの方が思い浮かべる武夷山の名茶といえば、武夷岩茶があります。
それらが主に作られている地域は、武夷山風景区と呼ばれる文化遺産の多い、比較的平坦な地域です。
しかし、正山堂の本部や工場があるのは、そこから車で約1時間半ほどかかる山間部。
武夷山脈の奥深くにある、福建省と江西省の省境付近の桐木村にあります。

霧や雲の発生しやすい山間部である桐木村。ここが正山堂の本拠地です
桐木村は、中国の国レベルの自然保護区である武夷山国家級自然保護区の中にあります。武夷山の世界遺産の自然遺産としての顔が強い地域です。
基本的に部外者は当局への申請無しでは、立ち入ることが出来ないという厳格な自然の管理が行われているエリアです。
私たちの製品を生産している多くの茶園や工場はここにあります。

国家級自然保護区のエリア。その中心が桐木です。武夷岩茶の生産エリアは右下の方です
自然保護区内は空気と水が驚くほど澄んでおり、その森林被覆率は96.3%にも達します。
山間部であるがゆえに、霧や雲も発生しやすく、まさに豊かな森と環境に育まれた地で作られているお茶です。
この地域(武夷山国家級自然保護区。面積は約565㎢)で作られるお茶が、伝統的な本物の正山小種であり、金駿眉なのです。

本部工場の前にある正山小種・金駿眉の原産地の碑
四百年あまりの歴史を持つ紅茶一族
世界初の紅茶である「正山小種(セイサン ショウシュ・ラプサンスーチョン)」は、この桐木で生まれました。
その桐木で初めて紅茶をつくり、その製法を代々受け継いできたのが、江氏の一族です。
江家に伝わる歴史によれば、西暦1568年に偶然の結果生まれたのが正山小種だったとされます。
※正山小種の誕生秘話については、また機会を改めて詳しくお話しします。

山間部で生まれた新しいお茶である紅茶は、大航海時代を経て、当時、中国にやってきていたヨーロッパ人たちの目に止まり、1604年頃にはヨーロッパへ紹介されます。
その後、王室や貴族などの上流階級を中心にアフタヌーンティーの風習が広がり、紅茶は世界で飲まれる飲料となっていきました。
武夷山の山間の小さな村で生まれたお茶が、世界を席巻したのです。
その後、紅茶は中国の代表的な輸出品として、世界各地で好評を博し続けました。
正山堂は、正山小種をつくり始めてから24代目にあたる江元勲氏によって、1997年に民営企業として設立されました(※)。
正山小種を産み出した一族が経営する会社、それが正山堂なのです。
※新中国では茶は国営企業などで生産が行われていましたが、1990年代から民営化していきました。
金駿眉の開発元
民間企業としてスタートした正山堂ですが、決して順風満帆な道のりではありませんでした。
当時は、海外向けの輸出が低迷していましたし、中国国内で紅茶は”紅くて、渋くて、苦い”という印象があり、中国の消費者のニーズとはかけ離れており、市場はほぼ未形成の状態でした。
そのため、桐木で栽培される生葉の価格も低迷。
紅茶の製法改良や武夷岩茶の品種を持ち込んで烏龍茶の生産を試みたり、緑茶の生産を試みるなどの試行錯誤の時代が続きました。
そのような中、2005年に芽の部分だけを用いて作った画期的な紅茶・金駿眉(キンシュンビ)の試作に成功します。
その名前は、茶水の色が黄金色であることから「金」、素早く市場に広がること・開発チームのメンバーにその字を持つ人が複数いたことから「駿」、茶葉の細長い形状などから「眉」を当てたものです。

自然保護区産の茶葉で作った金駿眉の外観は黒・黄・金色が入り混じった色をしており、水色は黄金色。これは発酵程度の低さに起因します
試作成功後も、茶業の専門家や研究者などとの意見交換や試作、研究を重ね、より安定した製法(駿眉製法)を確立し、品質を高めて量産体制を整えた上で、2008年から市場に投入します。
”黄金色の水色で、香りが良くて、甘い”という特徴を有した金駿眉は、それまでの紅茶の概念を覆すお茶として、中国の消費者の心を捉えました。
結果、中国では中国紅茶ブームが巻き起こり、2005年に約8.5万トンだった中国の紅茶生産量は、2015年には約43万トン、2024年は約51万トンと市場が拡大し続けています。
世界を席巻した正山小種に続き、中国を席巻した金駿眉が桐木という小さな村から生まれたのです。
中国紅茶の源流を今だからこそ
20世紀の終わりから21世紀にかけて、中国の紅茶は目まぐるしい変化を遂げています。
正山小種も伝統的な松煙香の強いものから、燻煙香の無いものが出てきており、「何が正山小種なのか分からなくなった」という声もお聞きします。
また、金駿眉は市場に様々なタイプのものが溢れており、その中には本来のオリジナルの味・香りとは似つかない製品も数多く出ています。
ぜひ、そのようなときは源流である当社の製品をお飲みいただき、また本Webサイトなどで情報を確認いただければと思います。
正山堂では中国国内で、数多くの有望な紅茶産地を選定し、正山堂が保有する高い紅茶生産技術を導入して、中国各地で新しい紅茶を作る試み「駿眉中国」プロジェクトも進行中です。
技術と各産地の気候特性や特有の品種が掛け合わさることで、妃子笑のような、今までに無かった製品も今後続々と生まれてくると思います。
私たちは中国紅茶の伝統を受け継ぎながら、新しい可能性を拓き続けていきます。
当社の紅茶をきっかけに、中国紅茶の新しい可能性と奥深い文化をお感じいただけましたら幸いです。

この記事へのコメントはありません。